唯一神の誕生
遥か昔、この世界が白い霧に包まれ、空も大地も海も存在しなかった頃。
世界を満たしていた霧が大いなる意思の元で一点に集い、やがて白い鴉の姿を形作った。
唯一神ラーゼリオンが創世のためこの世界に姿を現した瞬間である。
世界の始まりと、階級
初めに神は大空を創った。
次に自らを模して沢山の鳥達を生み出した。
鳥達は最初こそ大空を自在に飛び回っていたが、やがて飛び続けることに疲れて死んでしまった。
そこで神は大地を創り、人間を生み出して鳥達が羽を休めるための止まり木を作らせた。
止まり木を作り終えた人間に神は褒美として神官の位を与え、大地を形作る手伝いをするよう命じた。
神官達は神の力を借りて海を創り、動物を作り、あらゆる物を作り出して現在の世界の根底を形作った。
世界の根底が出来上がると神は人間の優秀さを認め、大勢の人間を創り出して貴族と平民に分けて神官の下に置き、彼らにこの世界を維持するように命じてそのための力を貸し与えた。
ところが一部の怠惰な人間が世界の管理を怠り森を砂漠に変えてしまったため、怒った神は貸し与えた力を全ての人間から取り上げ、更に一部の怠惰な人間達を下層民の位に追放し、罰として過酷な労働を行うよう命じた。
そして愚かな人間が同じ過ちを繰り返さぬようにと、全ての人間は天に召される度に毎回その魂を秤にかけ、善悪の傾きで転生先を神官、貴族、平民、下層民、家畜へと分けることとしたのである。
三大規律
・空を飛ぶ鳥は神が直接お造りになった神聖な生き物であるため、これに干渉することを禁ず。
(殺す、食す等の禁を犯した場合、議会での審議の後然るべき罰を与える)
・階級の違う者同士が結婚してはならない。
(この禁を犯した場合下位の者を死罪とする)
・神官の『命令』は絶対である。
(常軌を逸する場合を除く。判断の基準については聖典の該当する項を参照)
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